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そこはかとなくマリア様がみてる。 marimite.exblog.jp

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まりみてSS現在36本。紅薔薇属性……っていうか、祐笙推奨ブログ(笑


by rille
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Let me love you






私はばかだ。
拒絶されることを恐れる余り、あんなに大切な約束を忘れてしまっていた。
見ているだけで満足しようとしている自分を演じて、大事なことを守れなかった。

だから、これからは誓約。
決して破らない、破られることのない誓いとして。

私は、あの人をひとりにしないことを。
誓おう。













「初恋って、実らないのよね」
月曜日はそんな話題から始まった。
他愛もない年頃の女の子の、毒にも薬にもならないような。
そんな、どうでもいいおしゃべりだったのだ。
どういう経緯でそういった会話になったのか、それまで話を聞くともなく聞き流していた私にはわからないし、言った本人にも何ほどの意図もなかったのだろう。
それでもやはり私たちも普通の女子高生に過ぎなかった。
一般的な、と言っていいのかどうかはわからない、いやもしかしたら他の高校生よりは少し遅れているのだろうとは思うけれど、それだからこそ、この程度の話題にも食いついてしまうのだ。
そこには、中等部からの持ち上がりが多いとは言え、新しいクラス、友達に早く慣れたいという気持ちも働いていたのかも知れないけれど。
「でも、どれが初恋なのかってわかるものかしら」
「あら私は覚えているわよ」
どこからを初恋と言うのか、わからなかった私も何となく会話に加わってみた。
「例えば親戚のお兄さんに憧れることも、初恋に入るのかしら」
別に、そんな事実があるわけではない。
ただ何となく口にしただけだったのだが。
「入るんじゃない」
「そう?私ははっきりと恋だと自覚した最初を言うのだと思っていたのだけれど」
友達はそれをきっかけにしてますます「初恋は実らない」というジンクスの話題に没入していったが、私はどこか醒めた頭で初恋の定義も明確でないのにそんなジンクスは成立するのだろうか、とぼんやり考えていた。





「あ、ほら紅薔薇のつぼみ……」
初夏の訪れは、そんな溜息にも似た言葉と共に告げられた。
幼稚舎からリリアンである私にとって、単なる生徒会役員というだけでなく全校生徒の手本となるべき山百合会の薔薇さま方は憧れだった。
その中でも伝統的に中心となることが多く最も多くの尊敬と憧憬を一身に受ける紅薔薇さま、その妹である紅薔薇のつぼみであればただ歩いているだけでもこうして溜息を漏らさせる。
けれど、今年の紅薔薇のつぼみに対する溜息は、例年とは少し違っていて。
もちろん去年は高等部にいなかった私に、「例年」と言えるほどの経験があるわけではないけれど新聞部発行の「リリアンかわら版」を中等部の頃から読み漁っていたことによる聞きかじりの知識くらいならば持っていた。
「相変わらず素敵ね」
「ええ、でも……」
特にその溜息は1年生に多い。
それも仕方のないことで、まだ妹を持っていないつぼみに寄せられる関心はどこかに必ず「もしかしたら自分が」と山百合会の一員になれる希望を含んでいるものだから。
2、3年生もお近づきになりたいとは思っているだろう。山百合会のメンバーと友人であるというだけで周囲の見る目は異なるし、一言、二言話しただけでもリリアンでの学校生活の記念となり得る。
それくらいに薔薇さまの存在、そして意味というのは大きいものだから。
だからこそ紅薔薇のつぼみに対しての溜息というのは1年生に多くなるのだ。
紅薔薇のつぼみが憧れであり現薔薇さま方を抜き去るほどの人気を誇っていることは、誰もが認めるところであるし、それでいて嫉妬されることのない天性の何かを持っている。
けれど、だからこそ。
だからこそ彼女の一言がリリアンに大きな波紋を生じさせることとなったのだ。
ただでさえ問題発言と取られる内容であるのに加え、それを発言したのが全校生徒憧れの的である紅薔薇のつぼみであるとなれば。
5月に行われたマリア祭後の新聞部によるインタビューに答えた紅薔薇のつぼみは、それからは単なる憧れだけでなく溜息をその身に受けることとなったのだ。
新聞部も結果的には酷な質問をしたのだと思ったけれど、よく考えればそれはマリア祭という1年生を迎える行事であったことから、ごく自然な質問ではあった。
問題は、その質問に対して正直すぎた紅薔薇のつぼみにある。
大騒ぎとなったリリアンを横目にそれまでと変わらない紅薔薇のつぼみを見て、本気で言ったことだったのかと疑われた時期もあったが、今では既に諦めと嘆きの中でそのことが受け止められ、事実となっている。

そして、長い雨があがった後に事実は二つに増えた。

「ごきげんよう、紅薔薇のつぼみ」
「ごきげんよう」
溜息をつきつつ、それでも紅薔薇のつぼみに声をかけていく1年生。
そんな彼女たちに周囲の者を魅了せずにはいられない雰囲気を纏いながら挨拶を返す紅薔薇のつぼみ。
そして自分もお祈りを済ませるとマリア様の前を去っていく。
そこにはいつもと変わらない朝の光景が広がっていた。
けれど。
お祈りの後でマリア様を見上げた視線の中に、いつもと違う寂しさを見つけたような気がして。
私は朝のお祈りも忘れて、いつまでも紅薔薇のつぼみの後姿を追っていた。





「それで、諦めるの?」
二学期は悲嘆で明ける。
辛いと思うけれど。
「紅薔薇のつぼみは、ほんとうは弱い方だから」
そして私は、私だけはそのことを知っているから。
だから、もし私がそうでないのだとしたらせめて支えてあげられる人が現れるまでは。
せめて彼女の負担を軽くしてあげよう。
変な期待は持たない。
何も望まない。
ただ、私が彼女の傍にいたいから、彼女を守ってあげたいから。
だから私は、あの人の傍にいることを選ぶのだから。
あのマリア様の前で見せた、一瞬の寂しさを含んだ笑顔が、ほんとうの笑顔に変わるまで。
私はあの人を……





「お待ちなさい」
振り返った先に、私が一方的に見慣れた顔を見つけた秋の始まり。
「私……ですか」
「呼び止めたのは私で、その相手はあなた。間違いなくってよ」
きっかけを得た喜びと、間近で見ることの混乱が錯綜して私はその後、どんな返事をしたのか覚えていない。
気がついたら胸のリボンが直されていて、
「はい、できた。身だしなみはきちんとね」
にっこりと微笑む天使の笑顔が、崩れそうに見えて。
爽やかな朝の始まりから、この人はこんなにも強がっているのか。
ひび割れて、誰が見てももう崩れ落ちる寸前にまで追い詰められていることが明らかであっても、この人はそのことを認めようとしない。
周囲の人たちも救いを拒絶するその態度に、手をこまねいて見ているしかない。
そしてそれがこの人の孤独をより一層深くしていく。

だから、私は諦めない。
「お待ちください」
スカートの裾を少しだけ翻して立ち去ろうとした紅薔薇のつぼみを、私は呼び止める。
何かしら、そう開きかけた彼女の口から言葉を発せさせずに私は。

「私を妹にして頂かなくてもいいです。お手伝いとして傍に置いてください」

唖然としたあの人の表情を、私は忘れられないと思う。
その顔を見ながら私は、ああこの人もこういう瞬間だけは全ての苦悩から解放されるのかも知れない、と何故かそんなことを考えていた。
開きかけた口から発する言葉を捜すでもなく、きっと彼女自身について交されることのなかった「妹」という単語を久しぶりに聞いたことと、それ以上に意外な「お手伝い」という言葉に混乱したままどう答えたらいいのかわからない。
表情にはそう書かれたまま、マリア様から一歩離れた場所で呆然と立ちすくむ紅薔薇のつぼみ。
でも、私は必死だった。そしてそれ以上に本気だった。
他人が他人を救うことなんてできない。
それをわかった上で、私はこの人を救いたい。
いや、救えなくってもいい、救えないかも知れない、もしかしたら二人で倒れてしまうだけかも知れない。
けれど、少なくともその時、この人は独りじゃない。
私が傍にいるのだから。
それが何がしかの意味を持つのか、そしてそんなことが孤独でないことの証明足り得るかなんてわからない。
何の意味も持たず、結局私たちは全てを拒絶したままそれぞれが個として崩壊していくだけなのかも知れないけれど、だけど私はこの人の傍にいたいし、その瞬間にこの人を独りにしておくことだけは防ぐことができる。
私は、これ以上ないくらいの笑顔で、混乱したままのこの人に。

「ただお傍に置いて、お手伝いをさせてください、祐巳さま」










†梅雨の始まりと終り†

色んなハプニングが用意されたマリア祭は、私たちにも楽しみではあった。
白薔薇さまである志摩子さんと乃梨子ちゃん、二人の間を取り持つための1年生の演技から大団円へ。
それ自体は私にとっては茶番に過ぎないし、まあそれでも楽しくはあったけれど「どうでもいい」ことでしかなかった。
もちろん、事前に祐巳さんから聞かされていなかったら、大喜びでシャッターを切りまくったことだろう。
けれども、その日、私のカメラが映し出したのはそんな茶番劇ではなく。
まるで映画を見た後のように興奮している生徒たちの間で、独り醒めた表情で寂れた笑顔を浮かべる祐巳さん、ただひとりだった。





「それにしても、まさかあんな答えが返ってくるとは思わなかったわ」
まだ信じられない、という風にこれで何度目かの同じ言葉を呟く真美さん。

白薔薇さまにつぼみができた。

マリア祭での収穫はこれだけだと言ってよかっただろう、私にとっては。
けれども校内の情報を司る(と真美さんは言っている)新聞部にとっては「それだけ」とは言えないことは、私にだってわかる。
姉が3年生で卒業してしまったことから、今年薔薇さまの称号を継いだとは言え、志摩子さんは私たちと同じ2年生だ。
つぼみである祐巳さんや由乃さんと同じ、2年生。
薔薇さまとつぼみという称号の違いから、白薔薇さまは今年はできる限り早くつぼみを必要としていたことはわかるが、それがいち早く実現したつまり1年生の妹を作ったとなれば、つぼみであるかつぼみの妹であるかは別として、やはり同じ2年生である祐巳さんや由乃さんの妹問題が盛り上がることは必定なわけで。
当然にように、その場で祐巳さんと由乃さんにインタビューを申し込んだ真美さんが尋ねたのは、これまた当たり前の質問。

『では、妹について。お二人には妹の候補として目をつけている1年生はいる?』
クラスメイトとして砕けた口調だが、もちろん原稿では修正されるのだろう。
真美さんは妹を作るということを前提として話をしたが、これは当たり前のことだったと思う。
だから由乃さんもごく普通の答えを返したのだ。
『そうね、まだ決められるほど1年生のことをよく知っているわけではないからわからないけれど。これからできるだけ接する機会を持ちたいと思っているわ』
『うーん、つぼみとしては当然の答えかも知れないけど……もうちょっと情報が欲しいわね』
『そんなこと言われても、いないものはいないわよ?』
『さっきのマリア祭で目につく子がいたとか、ない?』
『それは祐巳さんの方じゃないの』
あまりいい印象は持っていないのだろう、由乃さんはそれが誰だとは言わなかったが、私も真美さんも今日のマリア祭で大立ち回りをしたあのドリルみたいな髪型の子だということはわかっていた。
視線を移すと、やはり気を遣ってかその子のこととは明確にしないまま真美さんは祐巳さんに尋ねる。
『祐巳さんはどう?気になる1年生とか、いない?』
『へっ?私?えーと……』
幼稚舎からの付き合いである私には、もう既にピンときていた。
だからこのインタビューもできれば止めさせようと思っていたのだけれど、祐巳さん自身があっさりと「いいよ」なんて言うものだから、止めさせようがなかったのだ。
この時もまた、私は視線で真美さんを制止したのだが、新聞部の質問としてこれ以上自然なものはない。
そこにいる部員たちの興味も加わって、質問をなかったことにするなんてできよう筈もなかった。
『私は』
いきなり振られたことによる動揺は、一瞬で終わった。
次の言葉が予測できる私は、その言葉を祐巳さんから聞きたくなかったのに。

『私は妹を作らないと思うから』



「どうしようかしらね、これ」
困った、という顔でメモをひらひらさせる真美さん。
インタビューの終わった新聞部の部室では、他の部員たちも真美さんと似たり寄ったりの状況で、手を動かしつつも驚きと呆然の狭間にあるような表情をしている。
ただ真美さんは本当に困っているから独り言に逃げた、というわけではなく、質問という形で私に投げているのだ。
祐巳さんとは長い付き合いだけれど、私にだってすべてを理解しているわけではない。
いや、他人を理解することなんて決してできやしない。
それでも私は祐巳さんが好きだから。
だから祐巳さんがこのインタビューで何を問われるかを承知したうえで受け、そしてこの答えを言った真意について考えてみて……真美さんに答えた。
「発表してもいいと思うわよ。いえ、寧ろ祐巳さんはそれを望んでいると思う」



嫌なことは重なるものだ。
雨の中を駆けていった祐巳さんの先に前白薔薇さまである佐藤聖さまの姿を認めた私は、足元の水溜りが靴の中までを濡らすことを構わず並木道の脇、茂みの向こうを正門に向かって駆け出していた。
「祥子さまっ!」
ちょうど迎えの車に乗り込もうとしていたところを追いついて呼び止める。
横にあの1年生を従えた祥子さまは意外そうな顔もせずに、
「何かしら」
といつもの笑顔を浮かべながら振り向いた。
そもそもからして祥子さまを責める気なんかなかった。
ただ苦しんでいる祐巳さんを見て、何もせずに傍観していることは到底できないから、真意を尋ねたかっただけ。
だけど、その笑顔の裏に浮かぶ表情を見て、それすら聞く気を失ってしまう。
この人も苦しんでいる。
祐巳さんを傷つけてしまった自分と、そしてどういう理由があるのかはわからないけれど今その祐巳さんに優しくしてあげられない自分に。
「……送ってさしあげるわ。ただ、用事に少しだけ付き合って頂いても構わないかしら」
何を言おうか迷っていた私にそれだけを告げると、返事も聞かずに乗り込む。
1年生は既に車中で待っていた。
この先の展開が読めてしまった私は、一瞬乗るかどうかを躊躇ったけれど、祐巳さんを苦しめている原因を突き止めることが最優先と考え、開いたままのドアを潜った。



居心地が悪い。
リリアンの制服はそれほど目立つようなものではないけれど、それはあくまで外観上のことだけだ。
それがリリアンの制服である、ということだけで周囲の視線を浴びることは覚悟しなければならないわけだけれども……病院の喫茶室では私の予想を上回る視線を集めてしまっていた。
目の前に置いてあるカップには3人とも手をつけていない。
恐らく自宅に戻れば最高級の豆を使って丁寧に淹れられた珈琲が待っている祥子さまと1年生にとって、喫茶店で注文することは飲むことが目的ではなくてその場を占める言い訳料のようなものなのだろう。
もちろん私はそんなわけではないけれど、やはり今、手をつける気にはなれなかった。
「おばあさまとの約束なのよ。だから今祐巳にこのことを教えるわけにはいかないの」
がっかりした。
お金持ちというのはこれほどまでに傲慢で自分勝手な人種なのかと思った。
「祐巳さまが勝手に誤解していらっしゃるだけですわ。祥子お姉さまに落ち度はありません」
おまえはちょっと黙ってろ、そういいかけた言葉を寸前で飲み込む。
今はこの二人の言い訳を聞いてやろう、そんな気分だったから。
「いいえ祐巳は悪くないわ、悪いのは……」
「祥子お姉さま!おばあさまとお会いできるのは最後……かも知れないんです。それなのに」
頭が痛くなってきた。
「でも、祐巳は許してくれるかしら」
「家族の事情を斟酌できなければ、それこそ妹として失格ですわ」
その事情とやらを祐巳さんには話したわけ?
約束だから話せない、でもきっとわかってくれる。
そんな都合のいい姉妹なんているのかしら。
万が一そんなことがまかり通ったとして……私なら遠慮したいわね、そんな姉妹制度なんて。
何でも分かり合えるなんて思ったら大間違いよ、お二人さん。
何も言わず何も伝えず。それでいて「きっとわかってくれる」。
祐巳さんだってただの女子高生なんだから、そんなにできているわけではない。そりゃあ確かに死ぬかもしれない、というよりはもうお迎えを待つだけのようだが、可愛がってくれた祖母のお見舞いにこうして毎日足を運んでいることは美談だし人として至極当たり前のことだと思う。
けれど、それをその祖母の頼みだからと言って祐巳さんに隠して不安にさせることの言い訳に使っているというのはどうだろう。
祖母の願いを守ることと妹を大事にすることと、どちらもを選択したのだったら貫き通して欲しいものだ。
それとも、片方だけを遵守して片方には後で説明してわかってもらえる、などと都合のいいことがまかり通ると思っているのがお嬢様たちの常識なのかしら。

言葉なり、態度なりで祐巳さんに優しくしてあげることが、どうしてできないのか。
彼女が不安に思っていることを知っていながら、どうしてその不安を解消してあげる努力を惜しむのか。
放課後にこうして病院に寄るのならば、どうして登校時間を合わせたり昼休みに会ってあげたりできないのか。
もちろんそれで祐巳さんの不安が解消するわけではない。疑問は残るだろう。
理由がはっきりしないから不安は深まるのであって、不安の高まりは猜疑心へと繋がっていく。
だからあえて祐巳さんに会わないというのも、確かにひとつの手段ではあるかも知れない。
ならば、必ず後で説明するから、とあえて会わないことを伝える方がいくらかマシだ。
原因不明が猜疑心を産むのならば、期限の不確定は諦念を生じさせるのだから。
何も言わなくてもわかる、そんな都合のいいお嬢様論理のために姉妹制度があるわけではないだろうに。
いや、もしかしたらその通りで、だから私は姉妹を作らないのかも知れない。
今まで見てきた姉妹制度から、そのことをどこかで理解していた、そうなのかも知れないのだ。
私は姉妹など作りたいと思わない。
姉や妹の都合のいい論理に振り回されるのは真っ平ごめんだ。
目の前で未だに罪悪感から自責の念を深める正真正銘のお嬢様と、他人の心を理解しようとする努力すらしない1年生の、薄っぺらい姿を見ながら私はようやく珈琲を口に運ぶ気になった。
すっかり冷め切ったそれは、それでも美味しいと感じた。





続く
by rille | 2005-10-03 00:36 | まりみてSS