けいかい




窓から入る木漏れ陽も、すっかり落ち着いた白光に変わり始めた初冬。
山百合会メンバーはいつもの通り、薔薇の館でティータイム。

「お姉さま、おかわりは」
「お願いするわ」
落ち着いてしっとりとした雰囲気を醸し出し始めた祥子と祐巳の姉妹を愛しげに眺める紅薔薇さま。
「紅薔薇さまは」
「そうね、お願いしようかしら」
祥子にべったりなようでいて、ちゃんと紅薔薇さまのことも考えてくれる祐巳が蓉子には嬉しくてたまらなかった。
祥子にどんな妹ができても、言ってしまえば妹を作らなくてもいいとすら思っていたけれど、いざ出来てしまうと寂しいような。
そんな風に最初は思っていたのだが、祥子も蓉子も大好きというオーラを体一杯で発している祐巳を見ていると、心配していた自分がばかばかしくなってくる。
「どうぞ、紅薔薇さま」
そしてちゃんと淹れた紅茶を祥子より先に蓉子へ出す。
そんなところにも紅薔薇らしさ、があるような気がする。
第一印象は「平凡なリリアン生徒」に過ぎなかった祐巳だが、今となっては紅薔薇を継ぐのはこの子以外には絶対に認めない、とすら思うようになった溺愛ぶりは、その席順にも現れていて。
祐巳を真ん中に、右に祥子、左に蓉子。
どちらかが休みでも、その席に誰かを座らせることはないという徹底ぶり。
紅薔薇の3姉妹は、薔薇の館にヒーターは不要であると白薔薇さまをして言わしめるほどあつあつだった。

「祐~巳ちゃん、私も欲しいな~」
で、その白薔薇さまは。
そんなあつあつの3姉妹に納得いくはずもなく、ことある毎に祐巳と絡もうとする。
「志摩子」
「はい」
祐巳の淹れたお茶は私たちだけのものだ、と言わんばかりの雰囲気で志摩子に呼びかける祥子に、返事をして立ち上がるが、
「いいよ志摩子さん、ついでだから私がやるよ」
「え~、祐巳ちゃん、私はついでなわけ?」
「もう白薔薇さまったら。言葉のあやじゃないですかー」
「いいわ、じゃあ一緒に淹れましょう?黄薔薇さまと令さまは?」
「ああ、じゃ、お願いするわ」
「頼むね、志摩子」

もちろん、志摩子に「お姉さまには自分の淹れたお茶を」なんて殊勝な思いはなく。
少しでも祐巳の傍にいたいという、姉妹そろって何だかなあ、な気持ちで動いているだけではあるが。
黄薔薇姉妹をダシに使ってそれを悟らせないようにする辺り、策士の面目躍如といったところか。
「……どーもわからないのよね」
志摩子と祐巳が流しに立つとそれを見計らったように、今まで黙っていた三つ編みおさげのイケイケ暴走機関車少女、黄薔薇の蕾の妹がぼそりと呟く。
「何が?由乃」
何となく嫌~な予感がして、おずおずと。
こんなところにも黄薔薇ファミリーの力関係は如実に表れる。
「祥子さまと蓉子さまが祐巳さんにめろめろなのはわかる。聖さまもね。でも」
「でも?」
聞きたくない、聞きたくないけど聞き返さずに済まされないようなところで語尾を切る由乃に、してやられたという思いを抱きながらも、やっぱり聞き返してしまう令。
そりゃそうだろう、由乃は令を巻き込むためにそこまで計算しているのだから。
「黄薔薇さまや令ちゃんもわかるのよ。黄薔薇さまにとっては祐巳さんって退屈しない格好のおもちゃだし、令ちゃんは祐巳さんみたいに可愛い子が大好きだしね」
「ちょ、ちょっと由乃。それは幾らなんでも言いすぎよ。おもちゃ、って……」
「あら、お姉さま。なら可愛い子が大好きってとこは否定なさらないんですね」
「……あ、いえそのう……」
じろり、と頬杖を外して睨みつける由乃にたじたじな令。
もはやどちらが姉なのかわからない。
「ま、いいわ。で、問題なのは志摩子さん」

真面目なことを言えば、白薔薇さまだって最初は変だと思ったのだ。
去年までのことは話でしか知らないが、由乃が薔薇の館に出入りするようになった頃も、話に聞いていた白薔薇さまの面影は残っていた気がする。
あの頃は学校すら休みがちで、それほど印象に残っているわけではないけれど。
そんな白薔薇さまが祐巳と出会ってから、見違えるように明るく生き生きとした様子になった。
ただ、そのことについては、去年のことを聞いてからは何となく想像はできた。
栞と祐巳には共通点があると思うから。
それが何か、を正確に説明するのは難しい。
強いて言えば生命力、だろうか。
ちょっと見ただけではすぐに手折られてしまいそうな儚げな雰囲気だったそうだが、きっとしなやかな強さを持った人だったに違いない。
だから白薔薇さまに会わずに去ったのだろうから。
祐巳のそれは少し異なり、どこまでも真っ直ぐな強さを感じる。

もちろん、久保栞本人を知らないのだから、由乃の当て推量でしかないのだけれど。
ただ、何となく白薔薇さまが祐巳に惹かれるのはわかる気がするのだ。

「でも、志摩子さんがどうもわからないのよね」
「志摩子は祐巳ちゃんと同じクラスなんだし。それだけ接する機会が多いんだから、私たちの知らない祐巳ちゃんの魅力に気がついていてもおかしくないでしょう?」
「それはそうだけど。でも祐巳さんが薔薇の館に来るようになるまで、祐巳さんのことが志摩子さんの口から出たことはないわよ」
「うーん。あえて話すことでもないからじゃないの」
「それだけかしら」
そう言って由乃は口を閉ざす。
どうもわからない。
相変わらず祐巳を取り合って口論を始める祥子と白薔薇さまの声を耳にしながら、由乃の目は志摩子を追っていた。





「ごきげんよう。志摩子さんだけ?」
「ごきげんよう、由乃さん。ええ、祐巳さんは中庭が担当だから少し遅れると思うわ」
ふぅん、と返事するでもなく頷くと由乃はいつもの席に座った。
「お茶、淹れるわね」
「自分で淹れるから大丈夫よ」
そう言って腰を浮かしかけた由乃だったが、ふと思いついて座りなおすと志摩子に話しかけた。
「それより。志摩子さん」
「なにかしら?」
「どう思ってるの?」
「……何のことかしら」
笑ってかわそうとしているが、それが祐巳のことを指していることは明らかにわかっている。
もちろん、志摩子がわかっていることを理解している由乃は気にせずに続けた。
「好きなんでしょ、それはいいの。私が聞きたいのはどうしてかってこと」
前置きも何もないいきなり核心を突く質問にも、志摩子は表情を崩さずに真っ直ぐに由乃を見たまま答えた。
「由乃さんらしいわね」
「私らしい、まあそうかもね。私、はっきりしないままでいるのって嫌いなのよ」
「……そう……そうよね」
何かを考えるように宙を見つめながら志摩子が呟く。
「さっきも『志摩子さんだけ?』って聞いたのに祐巳さんのこと話したでしょう。だから……うん、志摩子さんが祐巳さんのことを好きなのはいいのよ、それでわかったから。ただね」
「どうしてか、よね?」
「ん、まあね」
ふふ、と軽く笑うと志摩子はポットを温めていたお湯を捨て、茶葉を入れると熱湯を注ぎ込んだ。

一連の動作が祐巳とは全く違う。
わたわたと、勢いよく水を出しすぎて制服にかかって慌てたり、ポットの蓋の熱さを測ろうと触れてみて、そのあまりの熱さに悲鳴をあげたり。
まったく落ち着きのない祐巳のお茶の淹れ方と比較すると、志摩子のそれはとても優雅で流れるように自然で無駄な動きがない。
捨て湯と合わせてたっぷりと沸かしておいたお湯を注ぎ、蓋をして沈思するようなそぶりを見せた後に振り返る。
「由乃さんはどうして?」
これが祐巳相手ならば、「私が聞いてるのっ」と急かすところだが、何となく志摩子相手にそうするつもりになれなくて由乃は口を開いた。
「祐巳さんは自然でしょ、何をするにも。その自然さが私を警戒させないのよ」
「警戒?」
「そ、警戒。どっちかって言うと性悪説なのかもね、私は。他人を最初から信用したりできないもの」
「最初からは無理かも知れないわね。でも、それなりに知り合った人なら……」
「うーん、それも無条件では無理だわね。ある程度見知った人でもやっぱり警戒してしまうし、相当に深く付き合ってその人の陰日なたを見分けられるくらいにならないとダメかしら」
それは由乃の今までが関係しているのだろう、そう志摩子は思った。
学校と家と病院、その3箇所を転々としてその上、恐らくその中で最も見慣れた風景は病院。
クラスメイトの人となりを知り尽くすほどの時間すら与えられていなかったのだから、そこまで進んだ人間関係を構築しようがないし、クラスの中でもどこか浮いた存在になっていただろう。
それに加えて、どんなに清潔に保たれていても陰鬱なイメージがどこかに張り付いている病院では、じっくりと考える時間も相当にあったはずだが、それすら明るい方向へは普通進まないのではないかと思う。

「だから、私はまだ志摩子さんだって心底信じているわけではないわよ」
内容は辛辣だが、口調はとても穏やかだった。
だから、
「ふふ、そうなの?」
「そうよ、だって志摩子さんって腹黒いもの」
リリアンの生徒に対しての評価としては、これ以上ないほど似つかわしくないその言葉にも、志摩子は軽く微笑んだだけだった。
「それでも、ただのクラスメイトたちよりは信用してるけどね」
「そう。ありがとう由乃さん」
にかっと笑う由乃に微笑み返しながら、サーブ用ポットに茶漉しを通して注いでいく。
よく蒸らされた茶葉が芳香を漂わせ、由乃は何も言わずに志摩子の手元を見つめていた。

「それで、志摩子さんはどうなのよ」
トレイを手に、テーブルへ近づくまで待ってから、由乃は口を開いた。
それでも志摩子は答えないまま、カップを置く。
「どうぞ」
「ありがとう」

手にとって香りを楽しみ、口をつける。
穏やかに広がるオレンジペコがとても志摩子らしく感じた。
「いい香り。何だか志摩子さんって感じがするわ」
「私?」
「そ。落ち着いたいい感じだわ」
「落ち着いた?」
鸚鵡返しに繰り返す志摩子に、思わず由乃は吹き出す。
なぜって、とても……

とても、祐巳らしかったから。

「あはは、好きな人に感化されちゃうなんて、志摩子さんも人の子なのね」
「由乃さんは私を何だと思っていたのかしら」
不服そうなのにやっぱりそうは見えない。
「ほら、やっぱり自分でも認めるんじゃない、祐巳さんが好きだって。私の発言を否定しないってことはそういうことでしょ。さ、そろそろ私の質問に答えてくれないかしら」
覗き込むように頬杖をつきながら顔を傾けると、
「……って、志摩子さん?」
予想に反して深刻そうな表情な志摩子の顔にあたり、由乃は当惑した。
そんなにまずい質問だったろうか。
けれど、さっきまでは同じ質問にも笑っていたのに。
「わからないの」
「え?」
「わからないのよ、自分でも。なぜこんなにも祐巳さんに惹かれてしまうのか。由乃さんに指摘されたことは、多分正しいの」
「指摘、って?」
「意識しているつもりはないのだけれど、どうしても祐巳さんを視線で追ってしまって。そのつもりはなくても、祐巳さんの言動はすべて思いだせるほど記憶していて」
「それじゃあ感化もされるわね」
思ってもみなかった志摩子の独白に、何となく居住まいを正して言う。
志摩子はカップで両手を暖めるかのように包み込み、じっと中の薄茶色を見つめていた。

未だ薔薇さまやつぼみの2年生たちが来る気配はない。
静かになった館の一画で、2人は黙って外から流れてくる風に音を聞いていた。

「はっきりしているのは、きっかけだけなの」
しばらく風と紅茶だけで満たされていた空気が、志摩子の呟きにも似た言葉で揺らぐ。
由乃は黙って窓から志摩子へと視線を移した。
「夏休みになる前。教室は普段と変わらない時間を過ごしていくのに、なぜか私だけがその流れから取り残されている気がして落ち着かなかった」
ようやくカップから目を上げると、
「それが、祐巳さんの欠席と関係していることに気がつくのに、時間は必要なかったわ」
そして微笑んだ志摩子の表情をどう表現すればいいのか、由乃には適当な言葉が思いつかなかった。
ただ、誰かに似ている、とそう思っただけで。
「それで、ああ、祐巳さんのいない時間がこれほども緩慢に流れるんだ、って。そう感じてしまうほど私は祐巳さんが……」
「好きなんだ、って」
語尾を取ってしまった由乃に、
「ええ」
「でも、夏休み以降、学園祭で祐巳さんが薔薇の館に出入りするようになってからも、志摩子さんから祐巳さんのことを聞いたことないけど」
「それは……」
言いかけた言葉は、再び先を取られて宙に浮いた。

「祐巳ちゃんを誰にも渡したくなかったから、でしょう」
え、と驚いて振り返った2人の目に映ったのは、ビスケットの扉を開いたまま佇んでいる紅薔薇さまの姿だった。
「紅薔薇さま……」
「ごきげんよう志摩子、由乃ちゃん。お邪魔だったかしら」
「ご、ごきげんよう。いえ別に……」
「ごきげんよう紅薔薇さま。ええ、仰る通りです」
「志摩子さん?」
「志摩子は存外独占欲が強いみたいね。その頃にはもうわかっていたんでしょう?」
そのまま会話を続ける志摩子に少しだけ驚いた目を向けた由乃も、指定席についた紅薔薇さまの言葉に黙って耳を傾けることにした。
「はい、そうかも知れません。オレンジペコですが、宜しいですか?」
「そのままでいいわ。もうすぐ祐巳ちゃんが来るでしょうから」
お茶を淹れようと立ち上がりかけた志摩子を片手で制して、
「ちょっと意地悪かしら?独占欲の強い志摩子にこんなこと言うなんて」
と、少しだけ笑う。
独占欲が強い、ということを指摘しながら祐巳の淹れた紅茶を望んでいることを明示するのは確かに意地悪かも知れないが、それが嫌味に見えないのは紅薔薇さまだからかしら、と妙に納得して由乃は続きを促した。
「紅薔薇さま?気づいていたって、何をですか」
答えるまでに要した時間は、志摩子が浮かせかけた腰を落ち着かせるまでだった。
「祐巳ちゃんの良さは、じわじわと浸透していくものってことよ。そしてそれはとても穏やかな心にさせてくれる。しかもそのことを誰も気づかないまま、いつの間にか祐巳ちゃんに惹かれてしまっている。ぱっと派手に目だってしまう聖や志摩子、白薔薇系なら……ああ、祥子や令もそうかも知れないわね……簡単に言えばアイドルみたいな存在は、最初こそ騒がれてもそのうち沈静化するものだけれど」
一息入れた紅薔薇さまに変わって、由乃が得心して呟く。
「祐巳さんは誰も気づかないままにゆっくりと皆の心にしみ込んでいって……いつまでも残る、ということですね。俗な言い方をすれば、癒し系が近いんでしょうか」
紅薔薇さまと志摩子は、揃って頷いた。
その様子を見て、由乃にはもうひとつ納得いったものがあった。
さっき感じた志摩子の微笑みの正体。
あれは、
「そうか、少し前の紅薔薇さまに似ていたんだ」
「私がどうかして?由乃ちゃん」
怪訝そうな表情で尋ねる。
志摩子もわからないと言った様子で由乃の方を見た。
「あ、いえ。さっき志摩子さんの微笑みを見て、誰かに似ているなと思ったものですから。ちょっと前までの紅薔薇さまに似ていたんだって、今思い当たって……」
「私が紅薔薇さまと?」
「ああ、なるほどね……」
やっぱりわからない、という志摩子に対して紅薔薇さまは何となく思い当たることがあるようだった。
そんな志摩子に、紅薔薇さまが説明する。
「私も祐巳ちゃんが好きだけれど。祥子を独占したいって気持ちがないわけではないのよ」
「あ……」
「今は祐巳ちゃんを独占したいんじゃないの、蓉子?」
「あら、聖。ごきげんよう」
「あ、ろ、白薔薇さま。ごきげんよう」
「ごきんげんよう、お姉さま」
紅薔薇さまと同じく突然現れた白薔薇さまは、「3人ともごきげんよう」と効率的な挨拶をすると席につく。
「そんなことはないわよ。ただ、白薔薇さんちに取られるのは我慢ならないけど」
「何よそれ。じゃあ黄薔薇ファミリーだったらいいってこと?志摩子、お茶……あ、悪いね。由乃ちゃんだって独占を狙ってるんだから黄薔薇だって油断ならないよ?」
さり気なく警戒心を白ではなく黄色に向けさせようとするが、紅薔薇さまの辛辣さはどうやら白にだけ発揮されるようだった。
「大丈夫よ。江利子はあれだし、令は由乃ちゃんにしか目が向いてないし。まあ確かに由乃ちゃんはなかなかやりそうだけど、志摩子も由乃ちゃんも独占欲を持っているようだから、まだまだね」
「ま、そうかも知れないけどさ」
「独占欲を持っていると、まだまだなんですか」
薔薇さま2人が揃っていようと、気になることは聞かずにいられない。
相手が誰であろうと臆すことのない由乃は不機嫌を露にしながら尋ねた。
「そういった次元を超えたところで私たちは祐巳ちゃんを愛してるからねー。君らはまだまだ祐巳ちゃんの周囲の人間に対して警戒しすぎってこと」
「そうね。ある一定のラインを超えると、祥子のように祐巳ちゃんしか目に入らなくなるか、それとも私たちみたいに愛という概念すら超えた世界で祐巳ちゃんを愛でるか、のどちらかになるわよ」
わかったようなわからないことを言って2人で笑う薔薇さまに、由乃と志摩子も2人で困惑した視線を合わせた。

「それより、祐巳ちゃんはまだ?」
志摩子の淹れた紅茶を一口すすると、白薔薇さまがビスケットの扉を見つめながら尋ねる。
「ええ、私が来た時には志摩子と由乃ちゃんの2人しかいなかったけど。志摩子、何か聞いてるかしら?」
「いえ特には。今週は中庭の掃除ですから、少し時間がかかっているだけだと思いますけど」
「あっれー?おかしいな。さっきすれ違ったんだけど……そう言えば薔薇の館とは反対方向に走っていったっけ」
「そうなの?忘れ物か何かなのかしら」
紅薔薇さまが小首を傾げると同時に、階下のドアが開く音がして、
「ん。あの軽快な足音は祐巳ちゃんだね」
「……今回のタイトルのネタがわかってきた気がするわ」
頭を抱えた瞬間、ビスケットの扉が開いて祐巳が顔をのぞかせた。

「遅れてすみませんっ父兄会のお知らせを教室に置きっ放しにしてて……」

「やっぱりこういうオチか……」
「由乃さん、そうオチ込まないで」
「志摩子、逆効果だよ」
「祐巳ちゃんてば、癒し系だと思っていたら……」

「「「「ドジっ子系かいっ」」」」
「は?」
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by rille | 2004-11-22 18:24 | まりみてSS
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